ベルクソン哲学研究会ブログ

3月 25, 2015

第36回ベル哲研のご報告。

Filed under: Uncategorized — hiraiya @ 1:02 pm

去る3月22日、第36回のベルクソン哲学研究会が大阪で開催されました。

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会場:ヒルトンプラザウエスト

 

梅田駅の目の前、道路一本隔てただけという超絶リッチな立地(ん?)に、ヒルトンプラザウエストなるおしゃんてぃ(死語)なビルがありまして、なんということでしょう、龍谷大学キャンパスはそんなリッチなリッチにございました。ヴィトンやグッチなどリッチなお店をその一階に擁するリッチな建物でベルクソン哲学研究会が催されたことなどかつてありましたでしょうかリッチ。

 

再開発中のガランとした駅周辺とそれをとりまく賑やかな大都会・大阪を眼下に見下ろす高層14階のキャンパスの一室で、うららかな春の陽射しに包まれるようにして、われらが研究会は「空中開催」されたのでありました。

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会場からの眺め

 

 

 

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東京大学の野瀬彰子さんのご発表は、『二源泉』における創造的情動を扱ったもの。「創り出される感情」と「創造する情動」という区別を用いて、まさに創造の現場で芸術家を突き動かしているはずの情動にフォーカスを向けるダイナミックな発表でした。そこにおいてはあらゆる感情が「常に新しい」はずの持続理論において、それでも創造的情動が何か人類に「新しい」ものをもたらすと言われるとすれば、その特権性はどのように規定されうるのか。射程の大きな問題へと開けてます。

 

続いて京都大学の吉野斉志さんは、『場所論』の調査。二年前に当研究会でなされた古代哲学研究者の松浦和也氏によるご発表に触発される形で、他の先行研究などと付き合わせつつ、場所と空虚の位置づけについて大きく整理されていました。等質空間と具体的延長というベルクソンにおける区別を重ね合わせることが、アリストテレスの「場所」概念を分析する下地としてそもそも有効なのかどうか、そういったこともめぐって充実した質疑が展開されましたね。個人的には『試論』からの空間の位置づけの変化も興味深いです。

 

三番目は平井(福岡大学)による発表。持続理論は、「流れ」の独我論なのか?という素朴な問いから出発して、物質の持続から過去の普遍的保存を導出することで、複数の持続の質料的一致の可能性を模索するという、チャレンジングな話をしてみたのですが、みなさんからの質問がどれもとても的確で、さすがべるてつけん!懐が深い!と感動しました(笑)。(生命と)とりわけ人格の発生論をちゃんとまとめてみよう。

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研究会

 

最後は和歌山大学の小関彩子さん。資料を踏まえつつも会場にダイレクトに問いを投げかけるスタイルで、われわれにおける「言語」と「認識」の絡み合いを真摯に問いただそうとする姿勢がすごく印象的なご発表でした。体験の一回性と言語の一般性との狭間で、ともすれば素朴な「(事後的)記述」型の言語観をもっていると想定されがちなベルクソンにおいて、どのようにその独自のスタンスを描き出せるか。神話としての「ナマの知覚」と、言語化された認知との間に、当然ベルクソンなら「生(ナマ、ではなくセイ)」を置くでしょう。世界が習慣的反復のうちに埋没するとき、持続の異質的差異性はどこに行っているのか。これは最初の野瀬さんの話にもつながる重大なテーマだと思いました。

 

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そんなわけで、四名の発表を無事に終えて、一行は懇親会へ。いつものように和やかな宴の中で、「先」の議論は「後」の議論のうちへと「継続continuation」していくのでした。

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懇親会

 

 

 

p.s. 前日の日仏で東京大学の中原真祐子さんが「ベルクソンにおける伝達の問題—『試論』における芸術論を中心に」という題目で発表なさってました。ベル哲研の日に原稿をいただきまして拝読いたしました。芸術作品との出会いの場面に焦点を当てて、そこでは一方的な受信でも、逆に勝手な読み込みでもない、「感情の相互的なやりとり」がなされていると言いうる、という刺激的な内容。自分の問題に惹きつけてみたときに、たんなる「数的に同一な過去の共有」ではなく「数的に同一の感情」におけるそれを語りうるのかという点に、たいへん触発されました☆

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翌日、国立民族学博物館にて

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3月 16, 2015

第36回ベルクソン哲学研究会プログラム

Filed under: Uncategorized — hiraiya @ 11:16 pm

日時 : 2015年3月22日(日) 13:00より
場所 : 龍谷大学 大阪梅田キャンパスセミナールーム
http://www.ryukoku.ac.jp/osaka_office/access/index.html
プログラム (タイトルは変更される場合があります)

13:00~14:00 野瀬彰子(東京大学)
『道徳と宗教の二源泉』第一章における情動の区別について

14:05~15:05 吉野斉志(京都大学)
持続でもなく空間でもなく ——『アリストテレスの場所論』の位置付け再考——

15:30~15:40 次回以降の研究会について(世話人より)

15:40~16:40 平井靖史(福岡大学)
持続における非主観的相対性と同時性の諸問題

16:45~17:45 小関彩子(和歌山大学)
ベルクソンとデュルケムにおける言語の社会性と個人性

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済みません、おそくなりました(汗)

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